バンドを掛け持ちしたい、またはすでにしているアマチュアバンドマンへ
音楽活動を楽しむアマチュアバンドマンにとって、掛け持ち活動は「チャンスを広げる一方で、トラブルのリスクも孕む」両刃の剣です。
本記事では、バンド歴1~10年の初心者〜中級者を想定し、実際に起こりがちなトラブル事例をリアルに紹介。
それぞれの問題に対して、具体的かつ即効性の高いノウハウ・対策をお伝えします。
さらに、バンドメンバー探し・コミュニケーション支援サービス「bandcrew」や「OURSOUNDS」「ROCKJOINT」などを活用した掛け持ちのスマート運用術も解説。
読後には「掛け持ち不安」がきっと和らぎ、次のライブや練習に前向きに臨む自信が湧いてくるはずです。
なぜ今、バンド掛け持ちが増えているのか?

人材不足とバンド活動の多様化
コロナ禍がきっかけでライブハウスや小規模ライブバーの閉鎖が相次ぎ、演奏の場を求めるミュージシャンの受け皿が年々減少しています。さらに、同じジャンルの仲間を地元で見つける難易度が上がっており、特にジャズやロックなど専門性の高いシーンではプレイヤー不足が深刻化。地域コミュニティだけに固執せず、都市部やオンラインで複数バンドへ参加し、自ら演奏の機会を増やす動きが加速しています。
また、バンド活動の多様化にも注目です。従来はひとつのバンドで一貫したスタイルを追求するケースが主流でしたが、シティポップ/アコースティック/ファンク/ソロ活動といった異なるジャンルや体制を掛け持ちすることで、演奏スキルや音楽性を広げるミュージシャンが増加。副業的に音楽活動を楽しむ層にとって、複数のバンド参加は技術向上や人脈拡大のチャンスとなっています。
SNSやネットサービスの浸透
近年のSNSやマッチングプラットフォームの普及により、バンドメンバー募集やライブ出演のハードルが大きく下がりました。特にbandcrewのような専用サービスでは、プロフィール作成から相性診断、メッセージ送信までワンストップで完結。単発イベントや短期的なサポートメンバーの募集も手軽にできるため、“試し掛け持ち”を実施するハードルが極めて低くなっています。
TwitterやInstagram、TikTokなどのSNS投稿で演奏動画をシェアし、興味を持ったバンドから直接オファーが届くケースも増加。手軽に広告を配信するバンドも増えてきました。リアルタイムのコミュニケーションやハッシュタグ検索を活用すれば、遠方のバンドとの掛け持ちも容易になるなど、オンラインとオフラインをまたぐ活動スタイルが一般化しています。
実態調査データ例
2024年に実施した某SNSアンケート調査(回答者数:500名、バンド歴平均5年)では、以下のような結果が得られました。

- 掛け持ち経験あり:61%
- そのうち52%は「練習やライブのスケジュール衝突」など何らかのトラブルを経験している。

- 掛け持ちによる恩恵を実感:72%
- 「技術向上」「新しい仲間との出会い」「モチベーション維持」に効果ありと回答。
- 一方でそのうちスケジュール管理の不備(45%)、忙しさゆえのコミュニケーション不足(30%)、バンドごとの熱量のギャップ発生(25%)というトラブルを経験。
以上のデータからも、掛け持ち活動には明確なメリットがある一方で、管理や調整の難しさがボトルネックになっていることがわかります。
2. よくあるリアルトラブル事例と背景
ここからは実際に起こりがちなパターンの実録エピソードを紹介します。もう手遅れだ!ということにならないように、各事例の背景・事例・影響に加えて、すぐに使える解決策を合わせて解説します。
1. 練習日・ライブ日のバッティング
バンドによって連絡手段がバラバラということは非常によくあります。苦い思い出がある方も多いのではないでしょうか?
共通のカレンダーの管理や自動連携がないとスケジュール衝突をどうしても見落としがちです。また、次回リハはスタジオ練習後のバタバタした環境でなんとなく決まるというケースもあるでしょう。その際、カレンダーに反映忘れなどがないように気をつけましょう。
例:Aバンド(LINE)とBバンド(Facebook)で練習日が重複。個人カレンダーに登録漏れがあり、両方30分遅刻し信頼を失墜。
影響:Aバンドでは音合わせ遅延、Bバンドでは新曲未完成。両バンド間で責任の押し付け合いに発展。
→ 解決策:スケジュール共有の工夫
- カレンダーツール連携:バンド別に色分けしたチームカレンダーを作成し、週1回全バンドの予定を見直す習慣にする。
- 曜日ブロック:曜日ごとに活動バンドをなるべく固定し、重複リスクを予防。
バンド活動におすすめカレンダーツール
| googleカレンダー Googleアカウントと連携しやすく、GmailやMeetなど他サービスとの統合が強力。 |
5.0 |
| TimeTree 予定を「共有前提」で作られており、チーム向けに特化。広告が表示される。 |
3.0 |
| Apple純正カレンダー メンバー全員がiPhone/iPad/Macのどれかを持っている場合、連携と共有が最も簡単。 |
4.0 |
| LINEカレンダー(Yahoo!カレンダー) LINEの友だちと予定を共有でき、メッセージ感覚で使える。 |
3.5 |
2.バンドごとの熱量・やる気のギャップが発生
掛け持ちするバンド間で、練習頻度や演奏レベル、目標設定に応じた熱量が大きく異なると、意欲差が露呈しやすくなります。特に、真剣に作品制作を行うバンドと、気軽なセッション主体のバンドを掛け持ちすると、このギャップは顕著です。本人がそう思っていなくても、周りからは誤解されてしまうこともあるので要注意です。どのバンドも大切に思っている場合は、配慮しすぎかも?と思うくらいが、トラブル防止につながるかもしれません。
事例:午前中にコアな練習を重ねるAバンドで数時間の楽曲リハーサルを行い、同日夜に気軽なセッション型のBバンド練習に参加。Bバンドメンバーから「なんか今日はやる気ない?」と不満が漏れ、練習の進行が大幅に遅延。
影響:Bバンドでの練習効率が低下し、「掛け持ちメンバーは本気度が足りない」と不信感が芽生える。また、Aバンドでは集中力を使い果たし、さらに疲弊を重ねる悪循環が発生。
→ 解決策:モチベーションを切り替える取り組み
- 意識共有ミーティング:練習開始前に全員で当日リハの目標や、やる課題を5分程度で共有し、熱量を揃える。
- 練習モード切り替え儀式:例として、ギターのピックを色違いに替える、スニーカーを履き替えるなどの物理的アクションを取り入れ、脳と体のスイッチを切り替える。
また、管理や配慮に自信がない場合は、思い切って根本的に掛け持ちを禁止するという方法もあります。バンドのコンセプトに合わせてベストな選択をしましょう。
3. メンバーの嫉妬・不信感
SNSでの発信が、別バンドメンバーに劣等感を与えることがあります。こちらも盲点ですが、心理的な不安につながることが多いため、メンバーと目線合わせをすることがベターです。
事例:Aバンドの盛況映像をSNSで拡散すると、Bバンドのメンバーが「僕たちのライブは?」と落胆。
影響:Bバンド内で不信感が高まり、連絡レスが常態化。
→ 解決策:感情摩擦の回避術
- 事前共有テンプレート:掛け持ちスタンス、優先ルール、連絡頻度、トラブル対処フローをあらかじめ各バンドでしっかり合意を得る。
- 段階的対話設計:小規模ズレはバンド内、重大問題は全体ミーティングで解決。
4. 「どっちが本命?」探り合い問題
掛け持ち姿勢が比較意識を刺激し、MTGや飲み会等で本音が飛び出しやすいです。しっかりとプロ思考で頑張りたい!というバンドに起こりがちです。早めに備えましょう。
事例:Aバンド打ち上げで「で、ぶっちゃけ本命はどっち?」と直球質問。答えに迷い場が凍った。
影響:以降、居心地が悪くなり発言力が減少、ステージで集中できず演奏品質低下。
→ 解決策:メンバー間ルールを設定する。以下設定例。
1. スケジュールは3週間前に確定
2. イレギュラーは48時間前までに振替設定
3. ギャラ配分を明文化
4. 活動休止は1ヶ月前に告知
掛け持ちのメリット再確認
掛け持ちはリスクだけでなく、得られるメリットもたくさんあります。片方のバンドで得たこと(魅せ方、ライブハウスの情報、ファンなど)を、もう片方でも活かすことで、相乗効果に期待できます。掛け持ちをすることで次のようなメリットがあります。
- 人脈の拡張:異なるコミュニティに顔を出すことで、新たな繋がりやライブオファーが増加。
- スキル向上:多様なジャンル経験が演奏技術に深みをもたらす。
- 自己発見:自分の得意・不得意を掛け持ち先で客観視できる。
- モチベ維持:一方が煮詰まった時、別バンドでリフレッシュ可能。
このように自分を成長させるために、うまく選択をして、話し合って、コントロールすることが大切です。
bandcrewなどスマート掛け持ち運用術
ここからあバンド探し・連絡・相性確認まで一括管理できるbandcrewでの活用術を紹介します。bandcrewに限らず他のサイトでも応用できるので、ぜひお試しください。
目的をしっかり伝える
- 短期サポート募集:単発ライブやレコ発のみ参加
- レギュラーメンバー募集:毎週固定練習参加
相性診断&足跡機能の活用
- 得意ジャンルや役割バランスを診断し、自分の音楽スタイルに合う相手を優先表示。
- 足跡をつけた相手にメッセージテンプレを送るだけで、円滑な意思表示が可能。
ミュージシャンタイプ診断は、のべ数千件以上のバンド事例・音楽活動傾向を分析して作られた統計学×心理学ベースの“音楽志向”診断です。 あなたの音楽観・行動傾向・チームでの役割から、“本当のあなたに合った音楽スタイル”[…]
メッセージ例文テンプレート
良い人には積極的にメッセージを送ってみましょう。相手に掛け持ちを前提としつつ、安心感を与える内容がおすすめです。
足跡をつけてくれた方へ送るメッセージ例:
こんにちは、〇〇と申します。△△系バンドでドラムを掛け持ち中です。
□□のライブに向け、短期的にサポートいただけるドラマーさんを探しています。もしご興味あれば詳細お伝えします!
まとめ
掛け持ちバンド活動はリスクも伴いますが、事前準備とコミュニケーション、そして適切なツール活用があれば、リスクを最小化しつつ多彩な経験とスキルアップを実現できます。
ぜひ本記事で紹介したノウハウを活用し、bandcrewも併用して「掛け持ちの達人」を目指しましょう!
