募集サイトでバンドメンバーが集まらない…と頭を抱えるバンドマンはきっと多いでしょう。
しかし、基本的にはメンバーが集まらない理由があるのです。
この記事は“今すぐ動ける”ことに全振りしています。募集文テンプレ、DM/返信テンプレ、初回セッション設計、KPIの物差し、パート別の攻略、オフライン開拓、運営/広報まで実務で使うチェックリストを完備。”集まる”、“会う前に相性が分かる”仕組みまで落とし込みます。
先に結論
最初のつまずきは才能やセンスではなく、募集〜初回リハまでの設計不足です。
ここを直すだけで、返信率も面談率も面白いほど変わります。まずは次の要点を固定しましょう。
-
旗を立てる:ジャンル/BPM/活動頻度/場所/短期目標を数値で宣言
-
証拠を見せる:2曲デモ+30〜60秒スタジオ動画+譜面/コード情報
-
誠実に動く:即レス・当日録音共有・次回日程はその場で確定
-
ファネル管理:応募→面談→セッション→加入の歩留まりを週次で可視化
-
可視化を強化:Band Crewの**「スキル」**で“会う前に相性を判定”
たとえば「90–110BPM/シティポップ」「月2/土日/新宿〜渋谷」「60日で初ライブ」を掲げ、デモ2曲+60秒動画+ChordPro譜面を添えた募集に切り替えた途端、クリック→メッセージ→直接会うことの全指標が底上げされます。人は“曖昧”には応募しません。
魅力的な文章+数値+証拠を揃えた募集に、人は集まります。
現状診断でどこで詰まっているかを数値で把握する
闇雲にいろんな募集サイトを使って投稿数を増やしても、構造が同じなら結果は繰り返されます。
まずは自己テストでボトルネックを特定しましょう(各1点、計5点)。
-
目的明確度:やや短期の60–90日目標を数値で言えるか(例:60日で初ライブ)
-
証拠充実度:デモ2曲+60秒動画+譜面の3点セットがあるか
-
募集文精度:タイトル→冒頭一言→本文の順で具体化できているか
-
段取り力:即レス/録音共有/その場で次回確定が運用できているか
-
スキル可視化:あなたの「スキル」の主要3–5項目を明記できているか
もし現状が合計3点未満なら、やるべきことは明確です。以降の章で埋めていきましょう。
募集文の“黄金フォーマット”で読む人が動ける文章へ
「方向性は話し合いましょう」は、実は相手に丸投げです。
これでは、相手があなたにアプローチする敷居がMAXになります。
応募者がすぐ動ける形に整えます。
分からなくても大丈夫です、分からないなりに提示することが大事です。
-
タイトル:
[募集] ジャンル|地域(最寄り)|頻度|短期目標|募集パート -
冒頭3行:年齢/パート、BPMレンジ、頻度・場所、短期目標(60/90日)
-
方向性:参考アーティスト/作り方(例:メロ優先)/譜面(ChordPro/PDF)
-
必要/歓迎スキル:「スキル」から3–5個(例:クリック/コーラス/宅録)
-
条件:練習2h/割り勘額/固定エリア/連絡手段
-
サンプル:デモ2曲+60秒動画+譜面リンク
-
応募テンプレ:希望パート・機材・曜日・音源URL・ひと言
さらに「相手が何を書けば良いか」が明確だと返信率は上がります。
テンプレ提示=相手の負担削減=アプローチがしやすくなる
ということにつながります。
デモ・動画・譜面がない人は最短で用意すること
「オリジナルをやっています」、「街音楽イベントに出ました」と書いてみたものの、実際の音源がその場で聴けない、動画が見れないなんてことはありませんか?
よほどの文章力がない限り、コンテンツがないと連絡がくるのは厳しいと思ってください。
プロ品質は不要です。相手が事前にあなたや、あなたのバンドのことをイメージしてもらうことが大切です。
伝わる最低限に絞って会う前の不安を消します。
-
デモ2曲:①中速90–110BPMの歌モノ ②アップ(4つ打ち/16)
-
ミックス目安:とりあえず音割れせず全パートが満遍なく聞こえる
-
60秒動画:スタジオの様子でOK。斜め45°・全身〜顔などアングルがあるとより良い
-
譜面/コード:手書きでもPDFどちらでも。Key/Capo/ブレイク/キメを明記
文章=人柄/音と譜面=雰囲気や実力。この二段構えが“会う前の信頼”を作ります。
募集サイトBand Crewの「スキル」で“ミスマッチを起こさない”
バンドメンバー募集は様々ありますが、特にBand Crew(バンドクルー)では、あなたのスキルをチェックボックスで可視化するができます。
音楽的な内容のみならず、バンド運営していくためにあると良いスキル合計54項目をアピールすることで、募集の精度が跳ね上がります。
既存メンバーがいるなら全員分・バンドとしてのスキルを提示するのも良いでしょう!
-
棲み分け:文章=世界観/価値観、スキル=現場で即使う力
-
メンバー役割別の束
-
Vo:ハモリ/クリック/PR・広報/サムネ制作
-
Gt:アドリブ/コード理論/譜面作成/宅録/ミックス基礎
-
Ba:クリック/移調/譜面読解/イヤモニ/DAW
-
Dr:クリック/複合拍子/ステム同期/簡易PA/配信運用
-
Key:MIDI/アレンジ/イヤモニ/(編成次第で)モーションG or EC運営
-
-
検索に効く束:
クリック必須 / 90–110BPM / 月2 / 新宿-渋谷 / 60日で初ライブ / 譜面あり
“何でも歓迎”は埋もれます。
なんでも歓迎したい方こそ、特に推したいスキルを3–5個設定するだけでも相手は安心して連絡ができます。
SNSとオフラインを同時に回す
ネットだけ・現場だけではメンバー募集活動は偏ります。
できれば両輪で進めましょう。
それぞれの体裁でやるべきポイントをまとめました。
-
オンライン:
-
Band Crewプロフィール更新→「スキル」登録→募集公開
-
X:固定ポストに募集文+動画(週1で微修正)
-
Instagram:30秒リール(サビ8小節が鉄板)
-
YouTube Shorts:1テイクの断片で充分
-
-
オフライン:
-
スタジオ掲示(QRでデモ2曲/60秒動画/練習曜日)
-
ライブハウスでA6フライヤー(canvaなどで作成し片手で取りやすくする)
-
“加入→主催”へ回る逆算ルートも効率的
- セッションイベントに顔を出す
-
オフラインの活動も馬鹿になりません。
むしろ直接会っているからこそ、より前向きに検討してもらえる可能性は高まります。
初回セッションは90分!次回が“その場で決まる”進行
無事メンバー候補から連絡がきて会うことに!
当日はどんな人でも緊張します。
相手はあなたが問題なく弾けるかどうか以上に、約束と段取り・人柄を見られています。
見極めるには90分がおすすめです。
スタジオは2時間で予約し、次のようなスケジュールで進行がおすすめです。
-
10分:挨拶・目的共有(録音OK/次回候補日を先に提示)
-
60分:3曲×20分(1回通し→8小節だけ確認→2回通し)
-
10分:録音共有&改善点メモ
-
10分:その場で次回予約(共有カレンダー)
余った時間で機材の準備を行うとちょうど2時間になるでしょう。
さらに当日中の録音共有と“その場予約”で、自然消滅の大半は消せます。
パート別ニッチ攻略:Dr/Ba/Key/Vo
供給が少ないパートには、負担を下げる設計が効きます。
実際ここまでするバンドは多くありませんが、一目おかれたい場合は次のような工夫をすると、喜ばれます。
-
Dr:駐車場/交通費一部/2h完結/最寄り徒歩5分/前日までに譜面PDF+クリック+ドラム抜きステム
-
Ba:キックとの関係性の指針、コード外音の許容範囲を明記/ベース主役の8小節動画を用意
-
Vo:キー可変(±2)、トップライン先行、3度/5度コーラス設計
-
Key:役割を限定(パッド/コード/リード/シンベ)/MIDIのみ歓迎を明記
このようにパートによって都合は異なります。
全パート共通の考えとして、“来やすい”ではなく“来たくなる”設計が鍵を握ります。
言い換え辞典:反応が増える書き方
サイト上でのやりとり、直接会った時問わず、同じ内容でも、言い方で反応率は変わります。
少しの工夫で、お互いこんなはずではなかったというギャップを最小限にすることができます。
-
「方向性は相談して」→ 「90–110BPM/歌優先の引き算/60日で初ライブ」
-
「初心者不可」→ 「クリック必須・譜面配布。初回は3曲ショートセット」
-
「詳細はDMで」→ 「応募テンプレ(パート/機材/曜日/音源/ひと言)をご記入ください」
-
「返信遅いです」→ 「24時間以内に返信。日程は3候補を先にご案内します」
このように不安を1つずつ消す言い方が、結果を変えます。
7・30・90日ロードマップを実施せよ!今日からの行動計画
“いつかメンバーが来る!”は、ほぼ来ません。
メンバー募集も期日をしっかり決めることが推進力です。
-
Day1–7:旗を立てる → デモ2曲&60秒動画 → プロフ&「スキル」更新 → 募集公開 → 初回セッション確定
-
Day8–30:週1で募集文ABテスト/スタジオ掲示を2店舗へ/SNS週3本(うち1本は8小節リール)
-
Day31–90:60日で初ライブ/90日で配信 → 実績化/物販ミニセット → PR・EC・SNSなど非演奏スキルの増員
スケジュールに落ちた目標だけが、現実になります。
すぐ使えるテンプレート(DM/案内/断り)
テンプレは壁ではなく橋。お互いの時間を守る道具です。
相手が安心できるメッセージテンプレートご用意しました。
-
スカウトDM
-
「人間力あふれる魅力的な文章と、クリック対応/ハモリ可というスキルに惹かれてご連絡しました。
月2(土日/新宿〜渋谷)、60日で初ライブ。デモ2曲&60秒動画あり。次の土日、30分見学→そのまま3曲だけご一緒できませんか?」
-
-
初回案内
-
「候補:①9/21 14–16 ②9/22 13–15 ③9/28 15–17/スタジオ〇〇(新宿)。
事前に譜面PDF/ChordProとクリック音源を共有します。当日は録音し、改善メモと一緒に送付します。」
-
-
不採用(円満)
-
「今回は方向性とスケジュールの観点で別の方を優先します。音源から学びが多く感謝しています。編成拡張の際は改めてご相談させてください。」
-
気まずさを避ける言い回しができる方は、後のご縁を残します。
準備した人から、相棒が見つかる
良い募集とは、「自分が動きやすい募集」のことです。
あなたが旗を立て、証拠を見せ、誠実に動けば、応募は「お願い」ではなく「合図」になります。
そしてBand Crewの「スキル」は、熱量と実力を会う前に正しく届けるための武器です。
今日、プロフィールを更新してください。次の出会いは、そこから始まります。